EASはJISSの情報研究部の国際チームと友好的な関係にあり、今回、日本の Student Athlete の現状について情報を提供して欲しいという依頼があったことから、大学教員と元学生競技者であったという立場から私が、NOCのキャリア支援の立場からJOCキャリアアカデミー(と同時にJFAキャリアサポートセンター)の八田茂さんがプレゼンを行ないました。
デュアル・キャリアとは、「エリート競技者としてのアスリートライフ(パフォーマンスやトレーニング)に必要な環境を確保しながら、現役引退後の雇用に必要な教育や職業訓練を受け、将来に備える(JISS情報研究部 2010)」という概念です。
欧州では、競技レベルの高度化とトップアスリートの引退年齢の高齢化などに対応するため、1990年代後半から「スポーツと教育の両立」について制度的に保証しようという動きが出はじめ、2004年「欧州におけるスポーツを通じた教育年(The European Year of Education through Sport: EYES)」を機にEASが設立されました。
2009年には、EUの基本条約の見直しとなった「リスボン条約」にスポーツが明記され、法的な基盤が作られたことから、欧州委員会は本格的にデュアル・キャリアへの取り組みをはじめました。
もっとも先進的な取り組みを行なっているポルトガルでは、トップアスリートに様々な教育的機会を提供するための法律が作られています。先日のEASの席では、ハンガリーも同様の法律ができたと紹介されていました。欧州各国は、欧州委員会の推奨に基づいてこれから相次いで同様の法制度を整備していくものと考えられます。
また、「エラスムス計画」に対応して、トップアスリートが自由に欧州域内のナショナルトレーニングセンターを利用し、周辺の高等教育機関で勉強しながら単位を得られるようにするネットワークづくりも検討されているようです("Erasmus Athleticus" network)。
IOCもこのテーマには熱心に取り組んでいます。IOCのウェブサイトには「IOC Athlete Career Programme」というコーナーがあり(見つけにくいですが...)、アスリートのキャリア支援にIOCも積極的に関わることが示されています。YOGのプログラムにも、そういった側面が色濃く反映されていると思います。
日本では、古くから「文武両道」という概念が尊重され、多くの親がそれを望んでいますが、実際のトップアスリートと高等教育機関との関係は、というとさみしい限りです。
昨年度、これもJISS情報研究部のアレンジで英国のTASSの取り組みを知る機会がありました。それ以来、そのスキームに感銘を受け、日本型のデュアル・キャリアについて考えてきましたが、今回のEAS総会に参加させていただいたことで、なんとなくそのカタチが見えてきました。どこかでそれを実現できるように、アイデアを具体化していきたいと思います。
※本当に久しぶりのブログ投稿です。最近はブログに書くネタが少なくて... ツイッターではひんぱんにつぶやいていますので、興味があればフォローしてください(@kawai_t)。
【JISSの最新記事】

